今週のトピック
今週のドローン関連ニュースは、物流・公共安全分野での実用化が目立ちました。米配送大手DoorDashはFAA(米連邦航空局)の認可を取得し、自社によるドローン配送サービスを開始。並行して、警察が現場に先行してドローンを飛ばす「Drone as First Responder(DFR)」プログラムが全米で数百件規模に拡大しつつあることも報じられています。
機体そのものより、配送・救急・警備といった「サービスとしてのドローン活用」が広がっている点が今週の特徴です。日本ではテラドローンが国産バッテリー事業に参入するなど、機体を支える周辺産業の動きも見られました。
DoorDash、FAA認可を取得し自社ドローン配送サービスを開始
CNBCおよびYahoo Financeの報道によると、フードデリバリー大手のDoorDashはFAAの認可を取得し、自社運営によるドローン配送サービスを開始しました。これまで外部のドローン配送事業者と提携するケースが多かった業界において、大手プラットフォーマー自らが機体運用に乗り出す動きは、ドローン配送の実用化がいよいよ本格段階に入ったことを示しています。
「Drone as First Responder」プログラムが全米で拡大
Electronic Frontier Foundationの報道によると、警察官が到着する前にドローンを現場へ先行させて状況確認する「Drone as First Responder(DFR)」プログラムが、全米で数百件規模に拡大しつつあるといいます。緊急対応の初動を早める効果が期待される一方、プライバシーや監視への懸念も指摘されており、実用化の広がりとともに規制・運用ルール整備の議論も活発化しています。
米ノースカロライナ州、AED搭載ドローンの配備拠点を拡大
officer.comによると、ノースカロライナ州の保安官事務所はデューク大学と連携し、心停止患者向けにAED(自動体外式除細動器)を届けるドローンプログラムの配備拠点を2カ所増設しました。人口密度の低い地域や到着に時間がかかる現場において、ドローンによる医療機器の先行搬送が救命率向上に寄与する事例として注目されています。
テラドローン、国産ドローン用バッテリー事業に参入
dronelife.comによると、日本のテラドローンは国産のドローン向けバッテリー事業に参入すると発表しました。機体本体だけでなく、バッテリーなどの周辺部材を自国生産する動きは、サプライチェーンの安定確保や輸出規制リスクの低減を狙ったものとみられ、ドローン産業の裾野が機体メーカー以外にも広がっていることを示しています。
まとめ
今週は、物流(DoorDash)・公共安全(DFR、AEDドローン)・製造サプライチェーン(テラドローンのバッテリー事業)と、ドローンの「使われ方」が多方面に広がっていることが印象的でした。機体の性能競争だけでなく、実際のサービスやインフラとしてどう組み込むかというフェーズに移りつつあることがうかがえます。
一方で、DFRのような常時監視に近い運用が広がるにつれて、プライバシーや情報管理をめぐる議論も避けて通れなくなっています。今後は技術の実用化と並行して、社会的な受容性やルール整備の動きにも注目が必要です。
出典
- DoorDash launches in-house drone delivery program after FAA certification(CNBC)
- Hundreds of Drone-as-First-Responder Programs Could Soon Be Launched Across the Country(Electronic Frontier Foundation)
- N.C. Sheriff's Office, Duke Expand AED Drone Program With 2 New Launch Sites(officer.com)
- Terra Drone to Launch Japan-Made Drone Battery Business(dronelife.com)